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まさにアーティストの真骨頂【篠原有司男】自らアートを実践

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昨晩たまたま観ていたテレビ番組に釘づけになった。
内容は現代美術家の篠原有司男を取材したドキュメンタリーだ。

私は名前と作品は少し知っているだけで、1960年代に活動していた前衛芸術家ぐらいにしか理解はなかった。

アートを語る本物のアーティスト

現在87歳、白髪頭ソフトモヒカン風で、話し方やその姿からは歳をまったく感じさせない。逆にこんなジジイがそばにいたらめんどくせーと思ってしまう。番組内ではボクシングペインティングと呼ばれる手法で絵を描くところを紹介していた。横長のキャンバスに右側からグローブの先に絵の具を浸しパンチしていくだけだが、パンチした瞬間に絵の具がキャンバスに弾け飛び散り垂れる。勢いが絵の中に表現されて、情熱、衝撃、ダイナミックさを感じた。

現在ニューヨークに住み三階建のビルを月50万で借りている。アトリエ兼住宅には画材道具らしきものが氾濫して混沌とした室内だが、番組としてはそのごちゃごちゃの空間がまた芸術家らしくて良い。妻の乃り子さんとともに制作活動をしている。

げんこつで世界を変えろ! 反逆のアーティスト、海を渡る (THE INTERVIEWS 5)[本/雑誌] / 篠原有司男/著 大貫祥子/インタビュー

月50万の家賃というからにはアーティストとしてはかなり成功していると思いきや、定収入がないのでしばし支払いが滞るそうだ。個展をすると何百万の収入があるものの全て家賃に消える。

そんな生活をしていながら本人は、どこ吹く風で絵を描くことに情熱を傾けている。

篠原有司男はなんどもいいますが87歳です。
それが何よりも驚きです。55歳で会社を引退するサラリーマンの諸君!
元気をなくしている場合ではない。

あらためて昨晩の番組に出演した篠原有司男に感銘を受けた。

これが芸術家だ。職歴だとが財産だとか、浮世の見栄にこだわっている場合ではない。
自分の使命を感じ脇目もふらずに邁進するのみ。

デザイナーとアーティストはともに、社会を引っ張っていく役割を担っているのです。どんな社会でも体制に属さないで、あらぬ方向をみている人がいるはずです。言うなればアウトサイダー。アーティストはどこか格好からしても変わっているものです。でもそれにはちゃんとした法則があるのです。時代には転換点が必要な時があるのですが、その梶を切るのは、アーティストやデザイナーのような臍曲がりなのです。

上の引用はたまたま先日書いた自分の記事の引用。

デザイン アートの記事 アイキャッチ画像
デザインとアートの違い

よくデザインとアートをごっちゃにしている人がいます。 これってアートじゃん! それデザインだね? 普段の会話でなんとなく良く聞きます。 「人生をデザインする」なんてコピーライターが目いっぱいかっこいい ...

篠原有司男が普通の人間の枠に収まらないアウトサイダーであることは確か。そして、そのような彼が時代を開いていくのは間違いない。自分の人生をも芸術作品にしている。

彼はまだ10年は活動していくと言う。えっ! 100歳ってこと・・・

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